染錦花卉鳳文六寸平鉢
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製造地(製造者)
佐賀県有田町(12代酒井田柿右衛門)
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年代
1940~50年代
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解 説
乳白色の素地に余白を大きく取りつつ、朱・緑・青の上絵付けにより左右非対称の花鳥画などを描いた柿右衛門様式は、日本陶磁の代表的デザインとして世界的に知られる。しかしながら、この江戸前期における輸出仕様のデザインは17世紀の内に衰退した。12代柿右衛門は、後の13代と親子で輸出仕様の復元を志し、1953年(昭和28)に乳白色の濁し手素地の再現に成功した。1955年には「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」に選定、1977年には重要無形文化財に指定される。本品は、絵付けは柿右衛門様式を意識しつつも、伝世品には用いられていないコバルトの下絵が施されており、柿右衛門様式復元に至る過渡的な作品とみることができる。