石包丁
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出土地
京都府深草遺跡
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サイズ
長さ16.5cm
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解 説
大陸から稲作とともに伝わった石器で、水田に実った稲の穂を摘み取る際に使われた。弥生時代を代表する石器のひとつ。中央に開けた2つの穴に紐を通して中指または人差し指を掛け、上辺を掌で包むように持ち、穂の根元を親指と下辺に研ぎ出した刃で挟み、手首を返して切り取り収穫していたと考えられる。近畿北部では暗灰色の丹波山系粘板岩が用いられるのが特徴であり、弥生時代中期(約2300~2000年前頃)の本例は水田稲作の普及と地域における石材流通のあり方を示す好例である。