壷形土器
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出土地
天神前(てんじんまえ)遺跡
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サイズ
高さ:40.0cm
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解 説
天神前遺跡は、千葉県佐倉市にある弥生時代中期の遺跡で、1963年と64年に明治大学考古学研究室によって発掘調査された。
検出された7基の土坑(穴)からはほぼ完全な形の壷や甕が複数見つかったが、それらの土器の中から人骨が発見されたことにより、この種の遺跡が、遺体を骨化させて土器に納めて再度埋納した「再葬墓」であることが初めて明らかになった。
骨を納めた土器は壷が大半であり、画像の壷は細い頸と太い沈線文、そして表面には粗い縄文を施すという関東地方の弥生時代中期前半を代表する須和田式土器の特徴が顕著である。
なお、本資料は頸部にひびが入った部分に穴をあけて紐などで縛って再利用する「補修痕」がみられ、土器を長く使用する意識が看取できる。