じっくり見る 古墳時代

横矧板鋲留衝角付冑、横矧板鋲留短甲

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  • 出土地

    三昧塚(さんまいづか)古墳

  • サイズ

    冑の高さ:15cm 短甲の高さ:49.2cm

  • 解 説

    三昧塚古墳は、茨城県行方市に所在する全長85mの前方後円墳で、時期は5世紀末と考えられている。
    1955年に茨城県教育委員会により調査が行われ、当時明治大学専任講師だった大塚初重氏が参加した。
    墳丘からは円筒埴輪や形象埴輪が出土したほか、後円部墳頂から雲母片岩を組み合わせた箱式石棺と、その傍らから副葬品を収納した箱が検出されている。
    写真の甲冑は副葬品箱から出土したもので、錆に覆われてわかりにくいが、冑は先端が尖るシンプルな形状で、帽子のつばのように見えるのは、隣に置かれていた別の甲冑の一部が錆びて付着したものである。
    冑と短甲のいずれもが横長の板を鋲で留めるタイプのもので、近畿の中央政権による生産と有力首長への供給が想定されることから、当時の政治関係をさぐるうえで重要である。