じっくり見る 古墳時代

円筒埴輪

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  • 出土地

    玉里舟塚(たまりふなづか)古墳

  • サイズ

    高さ:76.1cm

  • 解 説

    玉里舟塚古墳は茨城県小美玉市に所在する全長72mの前方後円墳で、1965年から5次にわたって茨城県教育委員会から依頼を受けた明治大学により発掘調査された。
    築造時期は、6世紀の前半とみられている。
    後円部墳頂には雲母片岩を組み合わせた特殊な二重構造の箱式石棺があったほか、大型で丁寧なつくりの埴輪が多量に出土したことで知られている。
    人物、家、馬など多彩な形象埴輪に加えて、高い規格性のもとで制作された大型の円筒埴輪群の存在も注目される。
    円筒埴輪は古墳の上に垣根のように並べられるが、玉里舟塚古墳の普通円筒埴輪は横方向にめぐらせた粘土帯(突帯)がすべて6条で、表面に縦方向のハケメを入れ、内側は指によるナデで仕上げ、大きさは80㎝前後で統一されている。
    こうした6条以上の突帯をもつ大型の円筒埴輪は、全国でも限られた有力古墳にしかみられず、玉里舟塚古墳の被葬者像を考えるうえで重要である。
    画像の円筒埴輪は玉里舟塚古墳で唯一斜格子の線刻で飾った個体で、特に丁寧に作られており、また形象埴輪群に近い位置から出土していることから、何らかの象徴的な意味合いが込められていた可能性がある。